ーーーーーー目が覚めると日が落ち始めていた




「…学校出なきゃ」



立ち上がると教室に向かう
運良くそこには誰もいなかった


バックを手に取り教室を出た

…そこには



翔琉がいた。





「結映」


「学校来るの久々だな」


「元気だった?」



私は答えることも顔を上げることも
出来なかった


やっとの事で出た言葉は



「…帰るね」



それだけだった。




「待てよ…!!」


「おい…結映!!」




学校を出てからも
背中に声が飛んでくるのが判った


それを全て無視して
私は歩き続ける



「おい…っ!!」


「っ…!!」



しばらく歩いたところで
私は翔琉に腕を掴まれ立ち止まった



久しぶりに見る翔琉の顔
…泣きそうな顔だった


瞬間、頭に浮かぶのはタクの顔…



「離して…!!」


強引に手を振り払い歩きだそうと
前を向いたその時


『ねぇータクー?』


『んー?なぁーに?』


『キスして?』


数10m先にタクと…知らない女が
仲良さげに歩いていた

何も出来ずに立ち尽くす事しか出来ない