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「ん…」
目が覚めると
私は1人だった。
身体を起こして部屋を見回しても
タクの姿は見えない
近くにあったバスローブを身に纏うと
ベッドから立ち上がった
“ガチャ”
「タク…いるの?」
BARの方を覗いてみるも
やはり姿は何処にも見えない
その代わりにカウンターの上には
グラスが置いてあった
一口飲んでみると
「これ…さっきのカクテル…」
さっきの苦くて甘い味が
口の中に広がった
「タク…何処行っちゃったの?」
グラスを見つめながら
小さく呟く
今まで行為の後に姿を消すなんて事は
一度もなかったのに。
時計を見ると時刻は午前4時
あと1時間程で始発が来る
私は1人、身支度を始めた