「何…そ、れ…」
「俺、死ぬかもしれなかったんだ…ッ」
死ぬかもしれなかった
その言葉の意味を理解するのに
時間がかかった
翔琉が死ぬかもしれなかった?
「死ぬかも…って、なんで、…」
「俺さ…小さい時から心臓弱くてさ。…ずっと平気だったのに突然悪化して…。余命宣告まで、されたんだ…」
余命宣告…。
今自分が聞かされている言葉一つ一つが
グルグルと頭の中を駆け巡る
…私は、何も知らなかった。
「だから俺、結映から離れた。…もし俺が死んだら、結映、泣くから…っ」
「バカ…っ…何も知らないより…傍に居た方が幸せだよ…ッ」
私は支えたかった。
いつも支えられてばかりの私が出来る事なら
なんでもしてあげたかった。
止めどなく流れる涙を見た翔琉は
優しく微笑んで言った
「結映ならそう言うと思ったんだ…でも俺が辛かった。…だって、結映を手放したくないって…思っちゃうだろ…?」