涼しい六月も梅雨をあけ、暑い夏が迫ったある日。 佐野くんが学校を休んだ。 「佐野くん…休み?」 千里が見渡す。 「そうみたい」 なかなか来ない佐野くんを探していると、 「休みだよ」 真田くんの低い声がした。 「なにか聞いたの?」 私が言うと 「んー。予想つくっていうか… 知ってるっていうか…」 ん? 私と千里の頭にはてなマークが浮かんだ。 どういう意味…だろ。 疑問が消えないなか、ホームルームが始まった。