次の日。
“落ち込むなって”
雄大の言葉を胸に私は学校へ向かった。
「おはよう千里、真田くん」
相変わらず早いこの二人。
「おはよ!楓!」
「…はよ」
人があまりいない朝、千里は私の前の佐野くんの席に座っていた。
「楓、大丈夫?」
千里が振り返り、聞いてきた。
私は席に座りながら言った。
「大丈夫!迷惑かけたね〜」
私は千里に笑ってみせた。
「雄大にね励まされたりして」
ふふふ、と私は笑った。
「そっか…なんだかんだ、大事な存在ね」
千里が微笑んでいた。
「…気づかないだけで」
真田くんが言った。
「陽介も大切な人がいるのかな〜?」
千里が茶化す。
「は、なわけ」
真田くんの顔が赤くなった。
あれ?
意外な反応だったな…。
「おはよ、なんの話?」