「え?うんわかった」
「じゃ送る」
私と雄大は家を後にした。
歩きなれた道を雄大と歩く。
そういえば、成長するにつれて一緒にいる時間が減った。
懐かしいな…
小学生のときはこの道を二人で登下校したし。
私は思い出に浸っていた。
「ねえ」
「えっ?」
いきなり声をかけられた。
「そんなに佐野が好き?」
なに…をいきなり。
「うん…」
「そうか…実ると…いいな…」
雄大は遠くを見ていた。
「ありがと…」
その後は何も話していない気がする。
今日は雄大…おかしい。
寝起きだからとかじゃ…なくて。
そして私の家に着いた。
「ありがとう雄大。
明日は学校行けそうだよ」
「ん、あんま無理すんなよ」
じゃ、と雄大は私に手を振ると足早に帰っていった。
変な雄大…。
私はそんな雄大を見送ってから家へ入った。