「おじゃましまーす…」


なんだかんだで私の家についた。



佐野くんが玄関の扉を閉めようとしたそのとき













「え?佐野?」












この声…は。



「雄大!いいとこに!」


佐野くんが叫んだ。



スーパーの袋を大量に持った雄大がいた。



「お前ら何して…」


「ゆ、雄大こそ学校は!?」



私が聞くと



「あ…えっと新太が熱出しちゃって」


「新太?」


佐野くんが聞く。



「あー。俺の弟。

父さんいないからさ、面倒見てんの」



と、雄大がいう。



「弟いたのか…」



佐野くんが驚いてすぐ、雄大が言う。



「で?お前らは何してるわけ?」



少し声が低くなった。



そりゃそうか…サボって男女で家に上がり込もうとしている…からね。



変な意味はないけど!!



「佐倉とサボろうとしたら気分悪くしちゃったみたいで」



佐野くんが私を心配しながら言った。




「そうか…どうせ楓んちだっておじさんもおばさんも仕事だろ」




「え…うん」




雄大の目が私を捉える。



「じゃあ俺んちこい。新太と一緒に見てやるから」



え?




「そんな…っいいよ」



「いやよくない」



キッパリ言う雄大。



すると



「じゃー佐倉は任せようかな」



佐野くんが玄関から出る。




「佐野は学校に行け」



雄大は佐野くんに注意する。



「はーいはい。

じゃあね、佐倉」



佐野くんは笑って手を振ると学校方面に歩き出した。