【じゃあ、また駅で】
「うん」
電話を切った。
気分はどんどん下がってくる。
グ、グロテスク…。
ど、どのくらい待つかな…。
携帯の時計を見ると8時30分。
8時45分には着席しなければならない。
ここから歩いていくのだからもう遅刻だ。
でも佐野くんの乗る電車には他にも生徒がいるのだろう。
どのくらいでくる?
すると
♪♪♪~
あ、千里…。
「もしもし?」
【もしもし楓?何してんの?時間になるよ】
千里が言う。
「あの…佐野くんと来る予定でさ…
でも佐野くんの乗る電車が人身事故あっちゃって…」
遠慮気味に言った。
もしかしたら怒る…かも。
でも千里の答えは想像とは違った。
【あ〜なんだそうだったんだ〜
や、こんなこと楓は無かったから驚いちゃった。
じゃあ仲良くね~】
そして一方的に切られる。
ふぅ…
私は近くのベンチに腰をおろした。
もう高校生はいない。
いるとしたら今から来る電車に乗っている人。