雄大side



相変わらず楓は固まったまま。


……



なんだよ…



意識しないようにしてんのに。


お前はそんな反応すんなよ。今まで通りにしてくれよ。



すると…



「な、なんだ…」



「ん?」



「だって…雄大…ずっと…」


楓は俯いた。


泣きそうな声で。


え、いや…


「え、ちょ、楓!?」








「連絡待ってたのに…」








……



楓のその言葉は今の俺の胸にぐっさりと突き刺さった。




「…雄大…あの日のこと夢だと思ってるんじゃないかって心配して…」



ゆ、夢?




「でも良かった…」


楓は顔を上げて微笑んだ。




……



「…ごめん…」