「………帰ろっか」 いつもの佐野くんだった。 「……」 さっきの衝撃で私のイヤホンは外れていた。 そして佐野くんは外れたイヤホンを私に差し出す。 「ごめんね、はい」 なんだ…驚かせたかったのかな… 「ありがとう」 私はそれを受け取りまた音楽を聴き始める。 夕日は次第に落ちていく。 二つの影が薄くなったころ、私は佐野くんと分かれた。