文化祭も無事終わり、12月となった。
少しずつ肌寒くなっていた。
「おはよう楓!」
「おはよ!」
まだ教室には数人しかいない。
そういえば……
「千里」
「んー?」
千里は自分の席でバッグの中を整理している。
私は聞きたいことがある。
「花火のとき、どこ行ったの?」
千里の動きが止まる。
「なんか女の子と入れ替えになってたけど…」
すると千里はこっちを振り向いた。
そして笑いながら、
「なんで楓が知ってんのよ」
と言い、私の近くへ来た。
「屋上から見えたんだよね…」
「やっぱり屋上だったか…」
「え?」
「や、なんでもない」
千里は遠くを見ながら言った。
「あー、それで…どこに行ってたか…だっけ?」
そして我に返ったように私を見た。