楓side
「ここから中庭が見えるとは…」
真田くんの居場所がわからず困っていると、たまたま下を向いた雄大が真田くんを見つけた。
中庭に、千里といた。
そして今、中庭には真田くんとさっきの子の二人だ。
千里どこ行ったのかな…
「やっと落ち着いたな」
花火の音が響く中、雄大が言った。
「ふふ、本当にね」
私も花火を見ながら笑った。
……
もうそろそろ終わるな…
「来年ここにいる時は……」
ドォォォォン
「……俺らはきっと…」
「え?何?何か言った?」
「ううん。何でもないよ」
雄大の言葉は私には聞こえなかった。
でも雄大はとてもすっきりとした笑顔で私を見ていた。