「あ…真田くん…」
いきなり後ろから聞こえた声。
振り返ると…
「…瀬戸」
?
陽介が呟く。
知り合い?
うちのクラスの人ではないし…
その女の子は次に私を見る。
なんか驚いてる?
ショック受けてる顔してる気が…
あ…れ。
私……………
「あー!私楓に用あったんだー!
ごめん陽介ー」
トン、と陽介の肩を叩いて私は立ち上がった。
「え…?おい!」
陽介の声を無視して私は歩き出す。
そして女の子の横を通り過ぎる。
女の子は私をさっきから凝視している。
この子…
きっと陽介のこと…………
昔から勘がいいと言われ続けてきた。
他人のことはなんとなく見ててわかってしまう。
私は中庭を後にした。
「…有沢…?」
少し歩いた先に、佐野くんがいた。