「いたよ!」
その言葉に、私は千里の指の先を見る。
そこには雄大がいた。
うそ!!
「ゆ、雄大…」
「ほら、行ってきなよ!
後悔するぞ」
千里が私の背中をポン、と押す。
うん!
そう言おうとした、そのときだった。
「え…?」
雄大の後ろにピッタリと付く山口杏里がいた。
「ちょ…ん?」
千里も目を凝らして見ている。
「山口…さんだよね…?」
私も目を疑った。
あ…そう。
雄大は山口さんとまわるんだね…
「そっか…」
私はそう呟いて雄大たちに背を向けた。
「楓…?」
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