そうして話しているうちに時間はどんどんすぎて、私たちはクレープ屋を出た。
「今日はありがとう!」
佐野くんと駅で別れる。
佐野くんは電車だからね。
「おう」
私は佐野くんに手を振った。
私はくるっ、と振り返り家への道を歩く。
パシッ
ん?
腕に何かを感じた。
驚いて振り返ると佐野くんが私の腕を掴んでいた。
「なに?佐野くん」
私が首を傾げて聞くと佐野くんははっ、と我に返ったようにして言った。
「あ、ううん何でもない…
じゃあまた明日」
佐野くんはそのまま駅へ歩き出した。
「?」
一体…
まあいいや、と私も家へ歩き出した。