楓side
私たちは窓ぎわの席に座った。
景色が綺麗だ。
向かいに座る佐野くんも景色を見ていた。
二人で景色を眺めていたとき、私の携帯が鳴った。
♪♪♪〜
「あ、ごめんね」
「どうぞ」
見てみると雄大からメッセージが入っていた。
【明日俺んちで猛勉強な】
げっ…
勉強…
まあ行こうとしてたけど!
でも、嬉しく微笑む自分がいることに私は気づいていた。
「佐倉…笑ってるよ?」
「あ、ごめん」
佐野くんは少し顔を険しくして言った。
「…雄大?」
「う、うんそう」
ふーん…と佐野くんはクレープに目をやった。
佐野くんといても落ち着くようになった。
普通に目を見て会話できる。