龍輝side


夏休み最後の日ーー。


俺は陽介といた。



ばったり会ったのだ。



「陽介。

俺はもうわからないんだ」



「なにが?」



「葵が好きだった…はずなのに。

それは違った」



「うん」



「葵と別れた途端、頭に浮かんでくるのは佐倉なんだ」


俺は続ける。



「花火大会で会ったときも…

雄大と一緒にいてなんか突っかかって」



「会ったんだ」


陽介はどこか遠くを見ていた。



「ちゃんと聞いてる?」



「聞いてるよ」




なんか随分無関心そうな…




まあいいか。




俺は続けた。