ふと見上げた雄大の横顔は私の知ってる雄大ではなかった。



昔はお化けや虫が嫌いだったくせに。


いつの間にか強くなったんだね…。




置いていかれた気分よ…。



どんどん大人になるあなたに。





「ん?なんだよ」



雄大が私の視線に気づく。



「えっ!?いや、なんでもない…」




慌てて目線を空へ向ける。



花火は絶えることなく夜空を色付かせる。



まわりの音が聞こえなくなる。




私はなに緊張してるんだろう。




隣にいるのは佐野くんじゃない。



雄大なのに。