好きなんだな、こいつのこと。



「ちょっ、ここどこ!」


「屋上」


「知ってるわよ!屋上って開かないはずじゃ…」



なんて戸惑っている榎本に手にある鍵を見せた。



「なんで?」


「理事長の息子の特権だろ?」



そう自慢げに言うと、今度は困ったように笑った。



「……ありがと。助けてくれて」


「んなつもりない」



素直に礼を言った榎本に、強がる俺。