「じゃあ渓人君、私は出掛けるけど…ゆっくりしてってね!」


「はい。ありがとうございます」



手を振って、榎本の母さんは部屋を出てった。



「ごめんね、新井君」


「あ、だいじょ。冬華って?」


「あー、妹」



そう言いながら俺の隣に腰をおろした榎本。



少しだけ…鼓動が早くなる。



「へー。中学生?」



心臓の音が榎本に聞こえないように話をふる。