「あっ‥」

とびっくりした顔の斗真。
それとは対照的に冷静に‥と言うか
無表情な日向は、やっぱり速水蒼を知らないんだと思った。

「何よ斗真。変な声だして」

「だってお前、速水蒼だぞ?」

「速水蒼?」

「どんだけ日向は興味ないんだよ。
俳優の速水蒼だぞ?
最近見ない日は無いくらいテレビに出てる。」

必死に日向に説明する斗真を日向はただただポカーンとした顔で見てて

「初めまして速水蒼汰です。
職業は俳優だけど、今は蒼ではなく
美空の彼氏です。」

彼氏‥改まってそう言われると
何だか照れくさい。

「日向はやっぱり知らなかったか。
実は私も知らなかったんだけどねッ。」

「ごめんね〜蒼汰さん。
私昔からホント芸能人とか疎くて。」

「全然。逆に気楽かな‥」

「そう言ってもらえると助かる。
そっかぁ〜~
まさか美空の相手が芸能人。」

「でも‥私にとって蒼汰は蒼汰だから。」

「わかってる。
美空は蒼汰さんが芸能人だから好きになるような子じゃないことくらい。
何年友達してると思ってるの?」

「ありがとう日向。」

「そんな美空だから蒼汰さんも好きになったんじゃない?」

「そうだね。」

「何だか~昔似たような事があったような‥」

「日向!!」