「蒼汰、そろそろ放して?」


これ以上このままで居たら
あまりにも幸せすぎて‥
実は全てが夢でした
なんて消えてなくなりそうで怖いから。


「もう少し」

「ダぁ~メ。準備しないと」

「わかった‥じゃまた後で」


そんな根拠のない
言葉一つ一つにドキッとするのは
止まらない好きって気持ちのせい。


そんな気持ちを誤魔化すように
昨日
着替えも持たずに出てきた私のために
蒼汰が選んでくれた洋服を手に
身支度を済ませた。


「やっぱり似合う」

「そうかな?」

淡いピンクのワンピースは
きっと‥自分では選ばない色。

「ほんとに似合ってる。」

「ありがとう。」

私が身支度をしてる間に
蒼汰はすっかり準備ができてて‥

「じゃ行こうか」


そう言って私の手をとってくれる。