今度は通話を知らせる音が響き渡る。

「もしもし‥」

「美空、俺のワガママ聞いてくれてありがとね。」

「ううん。」

初めて聞いた蒼汰の声はとても優しくて安心出来た。
なんの確信もないんだけどね。

「でも美空の彼氏に怒られるかな。」

「‥。」

「アレ?美空?なんかまずかった?」

「あっううん。彼氏居ないよ。」

「そうなんだ。これって俺的にはラッキー?」

「ラッキーって。蒼汰可笑しいよ」

「全然。」

イヤ可笑しいでしょ。
ただSNSの中の間違いで知り合って
ラッキーって。

「蒼汰、今日仕事は?」

「今日は久しぶりのオフなんだよね〜。」

「そうなんだ。蒼汰どんな仕事してるの?」

「ん〜秘密。」