結局、入学式に参加できず大事をとって帰宅した。もちろん明日からはきちんと登校するつもりだ。
ガチャン…
無機質な鍵の開く音。
ドアを開くと…暗闇。
雫はこの時が一番苦手だ。開けると暗闇で静かで…誰もいない。もうこれで何度目の虚無感だろうと、毎度毎度思わされる。
すぐ右手にはスイッチがあり、雫は当たり前のようにそこに手をかけて、
「ただいまー!!」
明るい光が広い廊下を照らすのと同時に響く、明るい声。だが虚しく自分の耳に入るだけ。
自室に入り、荷物を置き、真新しい制服を丁寧にハンガーにかけ、卓上にある写真に目をやる。
両親に挟まれ、楽しそうに笑っている自分。友人との修学旅行の写真。クラス写真。
どれも全て、ピースをして凄く楽しそうに笑っている自分。
それを見てまた笑う自分。
“写す真実”が写真なら、この中に居る人が果たして本当の自分なのだろうか?
雫はそんな事を自分に問い、すぐに
「やめよやめよ。考えただけ無駄だよ。」
と、自分に言い聞かせ
「明日のクラス顔合わせの時になんて挨拶をしようかな。あっ!その前に、日向先生にお礼を言わなくちゃ。それしてもあの先生、少しくらい説明してくれても良かったのに。冷たいの。でもまぁ保険医の先生が色々教えてくれたから良かったな。しかも綺麗だったし。」
などと、気を紛らわしたのだった。
ガチャン…
無機質な鍵の開く音。
ドアを開くと…暗闇。
雫はこの時が一番苦手だ。開けると暗闇で静かで…誰もいない。もうこれで何度目の虚無感だろうと、毎度毎度思わされる。
すぐ右手にはスイッチがあり、雫は当たり前のようにそこに手をかけて、
「ただいまー!!」
明るい光が広い廊下を照らすのと同時に響く、明るい声。だが虚しく自分の耳に入るだけ。
自室に入り、荷物を置き、真新しい制服を丁寧にハンガーにかけ、卓上にある写真に目をやる。
両親に挟まれ、楽しそうに笑っている自分。友人との修学旅行の写真。クラス写真。
どれも全て、ピースをして凄く楽しそうに笑っている自分。
それを見てまた笑う自分。
“写す真実”が写真なら、この中に居る人が果たして本当の自分なのだろうか?
雫はそんな事を自分に問い、すぐに
「やめよやめよ。考えただけ無駄だよ。」
と、自分に言い聞かせ
「明日のクラス顔合わせの時になんて挨拶をしようかな。あっ!その前に、日向先生にお礼を言わなくちゃ。それしてもあの先生、少しくらい説明してくれても良かったのに。冷たいの。でもまぁ保険医の先生が色々教えてくれたから良かったな。しかも綺麗だったし。」
などと、気を紛らわしたのだった。