少女は暗い闇から脱出する様に、重たい瞼を開ける。

始めは、なんだか霞んでいてピントが合っていないカメラのレンズを覗き込んでいる感覚だったが、時間が経つにつれ、白い天井と、春風にはためく緑色のカーテンがはっきり見えてきた。そのあとに、カラカラと窓を閉める音が聞こえ、薬のような匂い。忘れた頃に腹部に痛みが来た。


忙しく五感を使ったせいか、少女の思考は置いてけぼりだった。ただ、


「・・・起きたか。どうだ具合は。」



イケメンな先生と2人きりなのはすぐに理解した。