幼い時から、両親とは壁があった。

厳格な父と、淑やかな母。

絵に描いたような家庭だった。


しかし、両親は共働きで

いつも祖父母の家か、一時的に預かってくれる施設に雫は預けられていた。


そして、雫が成長していくにつれ顔も見なくなってきた。家も空けることが多くなった。

いつからか、雫は両親の顔を思い出せなくなってきた。

そして、心も身体も冷えていった。