「な、なにこれっ!?」

ティセラさんが放った光が消えると、そこは火の海だった。

ティセラさんの姿はどこにも見当たらない。

周りの木材がどんどん燃え、私の家はもろくも崩れていく。

その崩れた隙間から、たくさんの人が見えた。

…やじうまだ。

すると、やっと消防車が現れた。

素早くホースの準備をして、大きな声と共に水をこちらにふりかける。

そのおかげで、炎の勢いは少しずつだが、弱まっていく。

だが、その水は私にもかかってきた。

「つーめーたーいーっ!」

ちょっと。水を止めて、止めてったら!

そんな私には目もくれず、消防士たちが叫ぶ。

「おい!」

「おーーい!」



―――――「おい!起きろ!」

ハッ! 

目を開けたら、目がくらむほどの光が、私の中に入り込んできた。

と、同時に、すぐそばには誰かがいた。

「大丈夫か?だいぶうなされてたぞ。」

……知らない、男の子。

あれ?でも、どこかで見たことがあるような。

どうやら、さっまでのは夢だったようで、一安心した。

そして私は、倒れていた体をゆっくり起こす。

すると、服が濡れていた。

「ずっと噴水の所で濡れてたから…こっちに寝かせたら、うなされて。」

男の子は焦っている。

確かに見てみると、横には噴水があった。

あの水に濡れていたから、あんな悪夢を見たのかな?

とにかく、お礼を言わなくちゃ。

「あ、ありがとうごさいます。えっと…?」

「タメ口で良いよ。おれは、雷使いのアルマ。」

その時、私は自分の耳を疑った。

いま、何て?何て言った?

私は、確かめるように聞いた。

「か、雷使い?」

もし、ここが本当にそうだとしたら。

「そうだよ。ところで、君は?」