「ピーンポーン ピーンポーン」
朝、私は2回のチャイムで目をさました。

「理亜ぁー、沙織さんよー!今出れないから出てあげてー!」

お母さんに台所の辺りからかけばれた。

しぶしぶ、私はしわくちゃパジャマのまま

「はぁーい!」

と、玄関のドアを開けた。

「ほらシャリア!いつまで寝てるの!学校行くよ?」

「わっ、ごめん!すぐ支度するね!」

私は眠たい気持ちを隠しながら、沙織に謝った。


…でも、何か大切なことを忘れている気がする。

シャリア、か。

なんか、この響き懐かしいな。

「ん?どうしたの?シャリア?」

「あっ、な、なんでもないよ。」

ふと空を見上げた。

…まぁ、分からないままで良いかな。

私は、誰に向けてかは分からないが、空に向かって微笑んだ。

「ほらほら早く!」

「う、うん!」

そして、こう語りかけた。



…ありがとう。

                                  -完-