…私たちだって負けない。

私はゆっくりと瞳を閉じた。

すると。

いつかに体験したことのある、どこかに吸い込まれるような感覚に襲われた。

グラッと傾いたその時。

私の家だ。

これは、あの時の夢の続き?

目の前には顔を見れずに終わった男の人がいた。

ゆっくと動いて、その顔を確認する。

「…ッ!?」

…そこには、シャドウさんがいたのだ…。

そうか。

今、昔のお父さんの記憶が浮かび上がってきた。

私のお父さんは、シャドウさんだったんだ。

お父さん、ありがとう。

顔を教えてくれて。

私、お父さんに会いたい。

今からでも間に合いますか?

私は元の意識に戻った。

ゆっくりと瞳を開ける。

みるみるうちに、秘められた魔力が私の体の中で目覚め始めた。

どんどん力がわいてきて、それは全て魔法として現れた。


「もう誰も傷つけさせない!皆の事は、私が守る!」


すると、だんだんシールドは巨大化していく。

「な、何だこれは!眩しい!来るな!」

セイラがシールドの回りにつけてくれた光が効いているんだ。

もっともっとシールドは巨大化していく。

「ぎゃ、ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!」

その光につつまれ、ブラッダは消滅した。

その瞬間、からだの力が全て抜けていき、その場に倒れた。

だんだんと意識が薄れていき、ついには目の前が見えなくなっていった…。