「グハハハハ!今度はちゃんと狙って闇玉を当ててやるからな。」

…嫌だ。

このままあいつの思いどうりになるなんて、そんなの絶対に嫌だ。

どうして魔力が起きないの?

どうしてここでは魔法がつかえないの?

魔法さえ使えればまだ道はあったのに…。

どうすれば良いんだろう。

逃げ回ったって勝目はない。

何か攻撃を仕掛けないと駄目だ。

でも、何をすればっ…。

「グハハハハ!いくぞ!」

するとブラッダは、両手を前にかざした。

腕で盾を作る。

だが。

闇玉はいっこうに現れない。

それどころか、ブラッダは動こうとしない。

…いや、動けないのだ。

「っ何だこれわ!体が、動かないっ!」

表情はとても焦っている。

だが、体は前に両手をかざしたままだ。

一体何が起きたんだ?

「お前の思いどうりにはさせない!」

それはクリスタだった。

クリスタが、ブラッダの時間を止めてくれていたのだ。

でも、どうしてだ?

ここは魔法が使えないんじゃないのか?

「クリスタっ!」

思わずアルマが叫ぶ。

「くそ…クリスタめ。この空間の中でも魔法を使うとは…!やはり強い魔力の持ち主…。」

ブラッダが動きづらい顔を懸命に動かしてしゃべる。

「だが、残念だったな…。この空間で魔法を使えるのはクリスタだけ。お前らは俺にとどめをさすことは出来ない…!」

「いいや、それは違う!」

クリスタが叫ぶ。

「魔法は、魔力の強さなど関係しない!大切な誰かのために使いたいと、心の底から願ったとき、本当の魔法が目覚めるんだ!」

「…!」