ドキドキしながら返事をした。
植物館から出ると車が停めてあった駐車場に向かう。
車の中に入りシートベルトをすると課長が
「良かったな……種が貰えて」と言ってくれた。
「はい。家に帰ったら早速まかないと」
「そうだ、俺の種もやる。持ってってもいいぞ」
「えっ?いいんですか?」
「あぁ、俺が育てたら枯らしそうだからな。
松井に育ててもらった方が花も喜ぶだろ」
課長が運転をしながらそう言ってきた。
課長のも貰ってしまった。
確かに忙しいから育てられると思えないわね。
「じゃあ、咲いたら課長にも見せますね!」
「あぁ、楽しみにしている」
そう言ってこちらを見てくれた。嬉しい。
ちゃんと咲かせるように育てなくちゃあ
何だか責任重大である。
帰ったらすぐに鉢植えの用意をして……。
「もうすぐ着くぞ」
前を見るとイタリアン風のお洒落なお店が見えてきた。
雑誌で見た通りの感じだ!
「うわぁ~素敵なお店ですね!!」
「あぁ、イタリアンだがリーズナブルなのに
美味しいと若い世代に評判らしい」
そう言って車を停めた。
人気でお洒落なお店に課長と一緒に来ている。
そう思っただけでも恥ずかしさと嬉しさがこみ上げた。
中に入ると店内もお洒落な造りになっていた。
店員に案内され席に座るとメニューを見た。
どれも食べてみたい料理ばかりで迷っちゃうわね。