「几帳面で真面目な感じですかね?」
「あと…見た目が怖いのか?」
それを自分で言ってしまう課長に
「はい!あっ……すみません」と思わず即答してしまった。
気づいたら恥ずかしくなってきた。
これだと課長が怖いと認めたようなものだ。
「くくっ…いや……素直だな。松井は……」
あ、笑われてしまった!!
課長の笑いを堪えている姿は、初めてみたわ。
何だか私も嬉しくなり笑みがこぼれた。そうしたら
「あらあら。とても仲のいいご夫婦ね」
隣で作業をしていた老夫婦の方が話しかけてきた。
えっ?夫婦……?私達が……!?
「あの……夫婦じゃないんです!!」
慌てて否定した。 まさか夫婦に見られていたなんて思わないから
驚きと心臓が飛び出しそうになった。
「あら、そうなの?
てっきり夫婦だと思ったからごめんなさいね」
「いえ……構いません。こちらこそ…すみません」
課長が代わりに謝ってくれた。
私と課長って…並ぶと他の人から見たら夫婦に見えるのだろうか?
まぁ、私も28歳でいい大人だし……。
結婚して子供が居る年代だから当然だろうけど
係員の人に種を貰う時に課長をチラッと見る。
夫婦か……。それも悪くないかも。
そんな夢みたいなことを思ってしまった。
「さて、もうそろそろ出るか?
レストランの予約時間になってしまう」
「はい。そうですね」