課長は、一口食べてくれた。どうだろうか?
口に合わなかったらどうしよう。

「あの……味は、どうでしようか?
不味かったらすみません」

「うむ、美味しい。この卵焼きもなかなか」

「そうですか……良かった」

味を噛みしめながら食べていた。
 まだ心臓がドキドキするけど自信作だった
卵焼きを褒めてくれた。

「これもなかなか。松井は、ちゃんと
料理が出来るじゃないか」

「あ、ありがとうございます。
また、今度も作って来ますね!」

 嬉しくてつい大胆発言を言ってしまう。
ハッと気づく。恥ずかしさで頬が熱くなってしまう。
 また作るだなんて……恥ずかしいわ。

「あ、すみません。つい調子を……」

「そうか?それは……楽しみだな」

 そう言って課長は、静かに笑ってくれた。
ドクンッ課長の言葉は、いつも心臓が高鳴る。
 また作れるチャンスが出来た。

「はい……楽しみにしていて下さい」

 私は、照れながらもそう伝えた。
何だかいい雰囲気になっていた。

 その後。弁当を食べ終わるとパンフレットを見ていた。
次は、何処に行こうかと話し合う。
 ハーブ園も行きたいけど、珍しい花も見たい。
すると課長が何かに気づいた。

「何か花の種まきがあるらしいぞ。
記念に種も貰えるらしい」