『玉田は、信用が出来る友人なので大丈夫だと思います。
申し訳ありません。黙って話してしまって』

『いや、構わない。 君の信頼出来る子なら。
 玉田の事は、同じ部署だから分かっているしな。
そうだ。今度行く場所なんだが○○植物園とかどうだ?
 有名らしいし、近くにあるレストランが
美味しいと評判らしいんだが?』

○○植物園か……。
 隣の県で私も行ってみたいと思っていた所だわ。
意外にも自分の好きな場所を提案してくれた。

『前から行ってみたいと思っていた所です。
楽しみにしてますね』

 そう書いて送信する。
フフッ……楽しみが増えちゃった。
 画面を見ながらベッドの上で転がった。
早く来ないかなぁ……デートの日。

 そして待ちに待ったデート当日。
私は、アパートのそばで待っていた。
 車で迎えに来てくれるらしい。
服装と髪型やメイクのチェックをする。
これで、いいかしら?

 課長の隣で歩くならちゃんとした大人の女性に見られたい。
 コンパクトの鏡を見ていたら課長が乗った車が目の前で停まった。
ガチャッとドアが開き「悪い…待たせたな」と顔を覗かせた。

「いえ…大丈夫です。おはようございます」

私は、慌てて頭を下げ挨拶をした。
 そのまま車に乗り込むと課長は、走らせた。
チラッと見るとサングラスをかけて私服姿だ。
 サングラス姿の課長は、少しヤクザっぽく見える。
内心そう思ったら何だか笑えてきた。

「フフッ……」

「うん?何が可笑しい?」

「あ、いえ……何でもありません」

 これは、言うのは……やめておこう。
さすがに失礼だし……。
 高速道路に乗りしばらく走ったあと
近くのサービスエリアで車を停めてトイレ休憩をした。

 課長は、お手洗いと何か飲み物を買って来るといい車から降りた。
 私は、お手洗いにあまり行きたく無いと思ったので大人しく車の中で待っていた。
 そうしたら車の隅っこに雑誌が置いてあるのを見つけた。