注文するとお互いに沈黙が続くが課長が
「俺と一緒で退屈にならなかったか?
どうも気の利いた台詞が言えないし」とそう言ってくれた。

「そんな退屈だなんて…とても楽しかったですよ!
課長と一緒に映画が観れて」

 内容は観てなくてサッパリだったけど
退屈だなんて思わなかった。今も……。
逆にドキドキしていた。

「それならいいのだが……」

「今度は……もう少し遠出してみるか?
日帰りで行ける範囲で」

 えっ……?課長と日帰りで!?
頬が熱くなってきた。
まさかの日帰りのお誘いだった。

「まぁ、君が嫌じゃなくて
都合のいい時にでも……」

「いつでも大丈夫です!」

思わず即答してしまった。
 あっ…と思ったが、凄く行きたいと思った。
断る理由もないし

「そうか。なら何処かいい所がないか考えておく」

「はい……分かりました」

 自分も照れてしまう。何だか不思議な気分で
心臓がドキドキと高鳴っていた。
 この音をバレないようにしなくちゃあ……。

「あの……それよりさっきのトレーニングの事を
もっと知りたいです!」

 思い切って聞いてみた。
課長は、私の発言に驚いていたが色々と話してくれた。
 料理が来ても熱い解説が続く。
夢中で話す姿は、怖いってより少し少年のようだ。
 トレーニングや道具がどれだけ好きなのか分かるぐらいに

「あ、えっと……つい熱弁をふるってしまった。すまない……」