その姿を見てクスッと思わず笑みがこぼれた。
まるで少年のようだ!
 店員に新しい商品の事を詳しく聞き始めていた。
聞き終わるとハッと気づいたのか私を見る課長だった。

「あ、すまない。つい夢中で……退屈だっただろ?」

「フフッ…いえ。意外な一面が見れて楽しかったです」

 それは、本当の事だ。新たな課長の一面が見れた。
スポーツ商品の事になると夢中になる。
 そして夢中になる姿は、少年のようで可愛らしい。

「そうか…?どうもこういうところに行くと
周りが見えなくなってしまう。申し訳がない」

「フフッ…よく来られるんですか?」

「まぁ……必ずチェックしてる。集めるのも好きで……」

 へぇ~それは、また興味がある内容だ。
どんな道具があるのだろうか?
 もっと、もっと課長の事が知りたい。私は、そう思った。

「その話…もっと聞いてみたいです!」

「そうか?でも、もうすぐ映画が始まるから
後で話そう。行こうか?」

「はい」

 楽しみな映画なのにちょっと残念な気持ちになった。
もっと見ていたかった……なんて思った。
 仕方がないので映画館に戻り一緒に映画を観る事にした。
 ポップコーンと飲み物を買って上映を観ながら
チラッと隣を見た。
課長は、真剣に映画を観ていた。

 どうも映画の内容より課長の事が気になって仕方がない。
 凄く観たかったはずなのに集中が出来ない。
そうしたら課長は、私に気づいてしまった。

「うん?どうした?」