ジョギングか……いつもこの時間帯で走っているのかしら?
それに何キロを?気になりメールしてみた。
『いつも何キロ走っているんですか?』
『5キロだ!』
えぇっ……5キロも走ってるの!?
趣味がトレーニングって言ってたけど……凄い。
なかなか走れる距離じゃない。
『凄いですね。
私は、運動音痴なのでそんなに走れません(>_<)』
『そうなのか?鍛えると運動音痴も
改善するかも知れないぞ。
今度いいトレーニング道具を貸してやる』
トレーニング道具か…どんなのだろうか?
ハァッ…とため息を吐いた。
メールでこんなに話せるなら直接もっと話がしたい。
課長の前だと緊張してしまい上手く話せない。
無口な人だし……。
私も口下手な方だし、そう思いながらスマホを眺めていた。
課長……今、どんな気持ちでメールしてくれているのだろう?
同じ気持ちならいいのに。
DVDを観ずにずっとスマホを眺めていた。
そして待ちに待った日曜日を迎えた。
課長と映画を観る事になった。
初デートと言ってもいいのだろうか?
気合いを入れてお洒落をしてしまう。
会社の時と違って服やメイクに気を遣った。
ちょっと、気合い入れ過ぎかしら?
そう思いながら待ち合わせ場所に行くと
すでに課長が居た。いつものスーツ姿と違って私服姿。
意外とお洒落な感じだ。
「あの……遅れて申し訳ありません」
「大丈夫だ。今さっき着いた…」
慌てて謝罪をしながら課長の所に行くと
驚くように課長は、黙り込んでしまった。
あれ……?もしかして、何か変だったのだろうか?
それともやり過ぎた?
「……いや……すまない。それより行こうか?」
少し頬が赤くなっていた。
もしかして照れているのだろうか?
自意識過剰かも知れないけどそう思ってしまう。