ー朝
なんだろ…
漣の匂いがするな…と思ったら

目の前に漣の顔があった。

「わっ…」
顔近い…

あわてて、反対側を向いた。
じっとしていよ…
そうおもったときに
「ぁ……き…」
え?なんて?今、名前呼んだ?
嘘でしょ…
嬉しい…!!
「い……な」
え、いいな?なぜ?
「行くなよ…」
あ、はっきり聞こえた。
行くな…
どこか行こうとしている?
私が?
どこにも行かないのに…
漣のほうがどこかへ行ってしまいそうな気がするのはこっちの方だ。