「じゃあ、倫子の失恋に乾杯~!」



…ん?
私は一瞬ピクッて来たけど、紗香の奢りだから許してやるか。



「乾杯~」



紗香とグラスをカチンと乾杯すると、
私は一気に生ビールを飲み干した。



「紗香、おかわりしていい?」


「もう…好きなだけ飲みなさい」



呆れ顔の紗香にニッコリ笑って見せて、私は店員を呼んでオーダーした。



「すいませ~ん!生3つお願いします」


「倫子…。あんたそんなに飲んで大丈夫なの?」


「うん。久し振りだよ、こんなに飲むの。昔ね、救急車を呼ばれるくらい飲んだ事あるんだから」