「倫子は…シュウ君を待ってるの…?」


「そうだよ」


「何で…?」


「約束したから。11月22日に迎えに来るってシュウが言ってくれたから」



私はそう言って笑って見せた。



「もし来なかったら…?」


「来なかったら…又ここに来ちゃうと思う。来年も再来年も……」


「そう…」


「だから私、結婚出来ないかも。そうなったらごめんね」


「何言ってるの!倫子がちゃんと生きててくれてたら、それ以上何も望まないわ」


「…うん」



私と母親は無口になって、日が暮れかけるまでシュウを待ったけど、シュウは来なかった……。