……シュウ?


私は階段をジッと見た。
一秒でも早く、シュウの顔が見たいんだ。




階段を上がる音が止まった瞬間に見えたのは、
母親の姿だった。



「倫子…」


「…お母さん、私、もう少し待っててもいい?」


「何もないならいいの。心配になっただけだから」



そう言って母親は私の手を握り締めた。



「…こんなに冷たくなっちゃって…。風邪ひくわよ…」


「もう少しだけだから…」



私がそう言うと、
母親は私の横に腰を降ろした。



「1つだけ聞いてもいい?」


「…何?」