三上さんはそう笑顔で言って帰って行った。 「三上さん、いい人ね」 母親はすっかり三上さんを気に入っているみたいで、三上さんの話しばかりするようになっていった。 私は 綺麗になる理由も 仕事を頑張る理由も 料理が上手くなる理由も あの家に帰る理由も 生きている理由も 全てを無くして 空っぽだった……