怒鳴る父親に母親が言った。



「今のお父さんじゃ話しにならないでしょ?もっと落ち着いてからにした方が、お父さんも後々後悔しないで済むと思うけど?」


「何がだ?!」


「いつも興奮して頭ごなしに反対して、後になってから何度も後悔して来たじゃない」



そう言って母親が笑うと、父親は真っ赤な顔をして言った。



「倫子の前で余計な事を言うな!」


「はいはい。倫子、コーヒーを入れてちょうだい。お父さんはお茶でいいわよね?」


「……」



母親のお陰で少し穏やかな空気になって、
私はお茶とコーヒーを入れると、一呼吸し口を開いた。