―翌朝



美味しそうなご飯の匂いと、シュウの声で目が覚めた。



「倫子さん…。倫子さん起きなよ?会社遅れちゃうよ?」


「やだ!今日は休む」



私は布団にしがみついた。


だって、どんな顔をして紗香と会えばいいの?



「今日行かないと、どんどん行きづらくなるよ?」


「分かってる。分かってるけど…」



ほら、もう涙が出そうなのに。



「別にいいんじゃない?倫子さんは悪い事してないんだし…。紗香さんだって、倫子さん休んだら心配するよ?」


「…そうかな?」


「うん。だから早く起きなよ?」