「そうですね…」


「うん。じゃあ、そろそろ帰ろうか?」


「はい」


「そうだ」



三上さんはそう言うと鞄の中から手帳を出して、
何かを書き始めた。



「何かあったらいつでも連絡しておいで?」



そう言って三上さんは、
携帯番号とメールアドレスを書いた紙を渡して来た。



「でも…」


「いいから。ちょっと辛い時はメール、どうにもならない時は電話をしておいで?」


「何でそんなに気にかけてくれるんですか?」



会社ではいつも怖い顔をしているのに…。



「神田さんが…うちの妹に似てるから」