私は動揺を悟られないように、三上さんに聞き返した。



「三上さんこそどうなんですか?そろそろいい年だし」


「……」



あっ、『いい年』は余計だったよね…。


怒らせちゃった…?


すると、三上さんは少し笑いながら言った。



「そうなんだよなぁ。実家に帰ると『嫁はまだか?』って煩いから帰ってないよ」


「彼女とか…いないんですか?」


「いない、いない。俺は仕事の時は仕事。女には女ってその時その時、一直線になるから、『意外と子供なんだ』とか、『重い』とか言われて、終わるんだ」