街を歩いていても、テレビを見ていても、
1日に一回はシュウの名前を耳にするようになった。



―着信 シュウ


私はすぐに電話を取る。



「もしもし、シュウ?」


「出るの早いね」


「テレビ見たよ」


「うん。お陰で普通に街を歩けなくなった」



やっぱり…。



「芸能人みたいね」


「そう?」


「何かシュウが凄く遠い人になった気がする…」



うなだれる私にシュウは言った。



「近い内、行くよ」


「本当?!」


「うん。でもマスコミにバレたらやばいから、変装して行くよ」