シュウからの電話は結局掛かって来ないまま、朝を迎えた。



―ガチャ


ドアが開く音と共にシュウの姿が見えて、少し安心する…。



「起きてたの?」


「うん。お父さん…大丈夫?」


「うん。少しだけ話した」


「そっかぁ…」



シュウは暗い顔をして、少し黙ったままだった…。


入江義人がお父さんなら、お母さんと兄弟が亡くなったって事だもんね…。


私が支えてあげたい



そう思った時、
シュウは付けっぱなしになっていたテレビを消して言った。



「俺、ここを出ないといけない」