残業は私と三上さんだけだった…。



「お疲れ様。帰っていいよ」


「はい…」


「暫く残業して貰うから、覚悟しといて」


「えっ…?」



何で私だけ?
この残業がずっと続くの…?


少し涙目になった私を見て、三上さんが言った。



「暫く仕事の事だけを考えて」


「…?」


「暇だと余計な事を考えるだろ?噂好きな人間は放っておけばいいんだけど、神田さんはそれが出来ないみたいだから。それが出来るようになったら、残業しなくていいよ」


「……」


「早く帰ってゆっくり休んで」



三上さんは笑顔で言ってくれて、私は涙が出た。