「会社…辞めるんですか…?」


「うん。でも倫子のせいじゃないよ。確かに福島に帰るきっかけにはなったけど、やりたくなったんだ。親父の仕事」



そう言って早川さんは優しく笑った。



「いつ…辞めるんですか?」


「今月いっぱい。急な分、仕事が山積みでさ…。倫子と一回ゆっくり話したかったんだけど、そんな時間、取れそうになかったから」


「……」


「そんな顔すんなよ?」



私は精一杯笑って見せた。



「シュウくんと幸せになって言おうと思ったけど、まだ無理だな…」



胸が苦しくなった……。